あなたに会えたあの日から

生まれる前のやくそくが、今、現実になる

また仙人のもとへ


こんばんは。nicosaです。




今日も、


大阪の下町でわたしが出会った、
わたしが「仙人」と呼んでいる、占い師の話です。

↓この続きです。
nicosa.hatenablog.com




「あんた! また来たんか!」




占い師は、
わたしの顔を見るなり、
上を向いて大きな声で笑いました。




「今日は友だちの付き添いです。」


「友だちが、横に座っていてほしいと言うので…。」


「座っていてもいいですか?今日は、私は占っていただかなくて結構です。」



わたしは、
占い師に聞きました。




「ええ、ええ。」


「ええよ。」


「そこの座布団を持ってきて、横に座っときなさい。」


「女の子は、二人や三人で来て、横に並んで、座っとるもんや。」


「一人で来たあんたが、ちょっと、変わってただけや。ハハハハハ。」



占い師はそう言って、笑って、



それから、
わたしの横にいた、
友だちの顔を見るなり驚いた顔になって、



急に、
まじめな顔になり、



友だちの顔をじっと見て、
そして、こう言いました。



「あんた、早死にするで。」






びっくりしました。



友だちの方を見ると、
友だちの顔から笑顔が消えていました。



「ああ。ああ。」


「まあ、二人とも座りなさい。」


「今日は、こっちの子だけやな。あんた、もっとよく顔を見せなさい。」



そう言って、



占い師は、
友だちの顔をじっくりと見て、



頬や、
おでこ、



右から、左から、
よーく見て、




「名前と生年月日教えて。」


「それから手相。見せてもらおか。」




そう言いました。




友だちの手をあれこれと見て、




わたしの時には出さなかった、
おみくじの棒みたいなものを、
左側にある机に手を伸ばして、
取りました。




棒を、
ジャラジャラとすり合わせ、
分けたり数えたりして、




「ふーむ。」




と唸って、




それから真剣な顔で、




もう一度友だちの顔を、
じっくり、いろんな角度から見ました。




そして、
ゆっくりと、
話しはじめました。




「35歳から40歳ぐらい。病気でな。でも、あんたは、だいぶ上等の男さんと結婚するで。子どもは二人。ほんまに、しあわせを絵にかいたような結婚生活や。こっちの子は長生きするけども、この子の旦那になる人は、どこにでもいる普通の人。酒ぐせの悪い…な。ハハハハハ。人生はな、長くても短くても、みんなおんなじ。短い人は、その短い人生の中に、ギュッと、しあわせがつまっとる。終わってみて、振り返ったら、人の人生は、みんなおんなじなんやと、分かる。みんなおんなじ。おんなじなんやで。」



「ん? 」


「どうや? 」


「わかったか?」



友だちは、
まだ笑顔のないまま。



少し間を置いてから、



「うん。」



と、うなずいて、



ただじっと、占い師の方を見ていました。





それから占い師は、
友だちの就職のことも、話していたように思います。



でも、



その話の記憶がありません。





衝撃的な出来事を受け止めようとすると、

脳の思考は、

一時的に停止するのかもしれません。




頭の中が真っ白になっていた気がします。




帰り際に、



友だちとわたしが、



部屋の外に出ようとした、その時、



占い師が、



わたしたちを呼び止めました。



「あんたら、どこで知り合うたんや?」



友だちは、振り向いて、



「〇〇大学です。」



と答えました。




すると、



占い師はこう言いました。



「それやのうて、もう一つの方。」


「その大学の話は、また別の話。」





わたしと友だちは、
口を揃えて答えました。



「△△高校!」



占い師は、



左手を自分の左目の上に置いて、




「そうそう、それや!」


「それや、それ!」


うれしそうに言いました。




占い師には、
わたしからも、友だちからも、



友だちとわたしが知り合った時の話など、話していないのに。



占い師は、



優しく笑って、



わたしと友だちに、こう言いました。




「あんたら二人は、会うべくして会うたんやで。」



「そこで会うことは、はじめから決まってた。」



「この出会いは、大切にせなあかん。」



「ほんまに。ええ友だちや。あんたら二人、ええ友だちやな。」




あの時の、




占い師の優しい笑顔と、



照れ臭そうに微笑んで、
わたしの顔を見ていた友だちの笑顔を、



わたしは、
決して、
忘れることはありません。




友だちは、
37歳になる年、
空の向こうに、
旅立ちました。


とても優しい旦那さんと、
かわいい二人の子どもに見送られて。




友だちと最後に会った時、



友だちは、
わたしに、
こう言いました。



「あの占い師のところ、連れて行ってくれてありがとう。」



「あんなところ、行かなければよかったと思ったこともあったけど、あそこに行っていなかったら、わたし、あの人と結婚していなかったと思う。」



「こんなに恥ずかしがり屋のわたしが、あの人に、結婚してほしいって、自分から言ったんだから。」



「そんな顔、しないでね。」


「わたし、しあわせだったよ。」


「とっても、楽しかったよ。ありがとうね。」



「こうしてnicoにも会えたんだし。」





「それからね、nico。」




「約束して。」




nicoは、これからもずっと、いつも、自分の好きなことを一生懸命にがんばってるnicoでいてほしい。」



「そうしないとね、わたしが生まれ変わって、またここに戻って来た時、それがnicoだと気付かないから。」



「約束だよ。nico。」








長い時が流れても、



これからも、
ずっと、


優しい光の中で、
笑っていた、


あの時の友だちの顔を、
わたしは、
決して、
忘れることはありません。





nicosa