あなたに会えたあの日から

生まれる前のやくそくが、今、現実になる

カルピス

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おはようございます。nicosaです。

 

立春を過ぎても、

冬のコートの

手放せない日がつづいていますが、

 

昨日、里山の家の庭先に、

黄色い梅の花と、白い梅の花

咲いているのを見つけました。

 

桃色の梅の花も、

つぼみから、その花びらが

見え始めていました。

 

わたしは桜の花よりも

梅の花の方が好きかもしれません。

 

春がくることを教えてくれるから。

 

そろそろ今年も、

冬眠中のわたしの庭に

寒肥を入れる時期になりました。

 

今年も、初夏の頃、

やまぼうしやアジサイ

綺麗に咲きますように。

 

昨年植えた

セージの花もラベンダーの花も

冬の間に、地面の下で

ちゃんと根を張っていて、

夏の庭先に咲いてくれますように。

 

 

 

今日は、小学五年生の夏休み、

通っていたソロバン教室で

hokoちゃんと飲んだ、カルピスの

お話です。

 

小学三年生の修了式のあとの春休み、

叔母と両親とおとうとと暮らしていた

戦後母方の祖父が建てた家から

引っ越しました。

 

両親とおとうとと四人で、

父が里山に建てた、

新興住宅地の

新しい家に。

 

母が見つけてきたソロバン教室に

わたしは通い始めました。

 

知らない子ばかりで、

恥ずかしがり屋のわたしは、

だれも来ていない、開室してすぐの時間に

教室に行っていました。

 

先生はまだ掃除機をかけていて、

「あらnicoちゃん。今日も1番ね!」

と、言いました。

 

夏休みには、うれしいことがありました。

1番先に教室に来た子どもには、

先生はカルピスを作ってくれました。

それを知っている子どもは、

わたしだけだったけど。

 

 

 

小学五年生の夏休み。

 

いつもはわたしと先生と

お手伝いをしていた先生の娘さんだけで、

先生の台所で

カルピスを飲んでいたけれど、

 

ある日から、もう一杯、

先生の作るカルピスが増えました。

 

hokoちゃんの分でした。

 

教室のすぐ近くに住んでいたhokoちゃんが

その年の夏休みは、ときどき、

開室時間に来るようになりました。

 

 

hokoちゃんとは

引越ししてきてから

一度も話したことはありませんでした。

 

hokoちゃんは、小学四年生のとき、

わたしに意地悪をする

いつもその中心にいた人でした。

 

どうしてhokoちゃんが

開室時間に教室に来るようになったのか、

わたしは知りません。

 

hokoちゃんはいつも、

とてもニコニコして、

先生の台所の暖簾をくぐって入ってきて

わたしの横で、カルピスを飲んでいました。

 

飲み終わると、

わたしの顔を見て

何も言わずに

わたしにニコッと

笑いました。

 

 

先生が、

 

「ああ。美味しかった!」

「さあ、今日もソロバン、始めましょう!」

 

と、言いました。

 

 

hokoちゃんとわたしは、

教室の部屋に移動して、

ソロバンとえんぴつと文鎮を

かばんから取り出して、

 

先生が渡してくれるプリントの上に

それを置きました。

 

 

 

アブラゼミの合奏が

とてもにぎやかになってきた

ある日のことでした。

 

いつもニコニコのhokoちゃんの目から

涙が溢れそうになって、

 

いつもわたしに何も話さないhokoちゃんが、

わたしに何か言おうと、口をモゴモゴさせて

「あのね、nicoちゃん」

と、言いました。

 

 

何故かはわからないけど、わたしは

hokoちゃんに、

その先を、言わせたらいけないと

思いました。

 

 

「hokoちゃん、セミ、うるさいね!」

 

「あっち行こっか?」

 

 

ごまかしました。

 

 

hokoちゃんはまた、

ニコニコ顔になって

 

「うん!」

 

そう言いました。

 

 

もう、hokoちゃんの涙はなくなって、

もう、hokoちゃんは何も言いませんでした。

 

 

 

この前、ふと思ったんです。

 

hokoちゃんは、あの時、

わたしに

謝ろうとしていたんじゃないかなって。

 

 

hokoちゃんも、ずっと、

しんどかったんじゃないかなって。

 

 

きっと、わたしと同じぐらい、

もしかしたら、わたしよりもずっと

しんどかったんじゃないかなって。

 

 

あの日から、わたしとhokoちゃんは

学校でも学校の外でも

nicoちゃーん!」

「hokoちゃーん!」

て、呼び合って、仲良くなりました。

 

 

 

hokoちゃん、

一緒にカルピス

飲んでくれてありがとう。

 

 

 

(先生、美味しいカルピス、ありがとうございました。)

 

 

 

 

nicosa