あなたに会えたあの日から

生まれる前のやくそくが、今、現実になる

奇行


こんばんは。nicosaです。






七夕は、
会いたい人を思い出してしまう、
そんな日なのでしょうか…




昨日は、



なぜか、

珍しく、



彼のことばかり考えていました。





夏休みに入ったら、
少し時間ができると言っていたので、
昨日、彼にメールしました。






何か、また、
ステージが変わろうとしているような、
そんな気もします。


次のステージはどんなステージになるのでしょう…





今日お話しする話は、





2014年の冬に、
彼とわたしが出会い、

2015年の夏に、
一緒に仕事をしはじめて、


そのあと、

2015年の末頃から、
2016年の春、

彼が異動になる日までの、
彼の奇行?

のお話。






2015年の夏から、

彼とわたしは、


毎日のように、
椅子を並べて、
一つのパソコンに向かい、
現場に入り、
仕事をしました。


仕事以外の時間に話すことはなく、
メールをすることもありませんでした。







二人で仕事をすると、

その現場は、

少しずつ変わりはじめました。




作業の効率化、
システムの活用、
業務の分掌の見直し、
スケジュールの見直し、
無駄のない作業への見直し。


現場の人たちの仕事は、
少しずつ楽になり、
笑顔が増えていく気がしました。



夏が過ぎ、
秋が過ぎ、
冬が来て。



師走のある日、

残業をして、
作業部屋の鍵を返そうと、
彼の仕事の部屋に行きました。



鍵を返して帰ろうとすると、
彼が駆け寄って来ました。


「nicosaさん、ぼく、忙しくなりそうです。」

「別の仕事を掛け持ちすることになって。nicosaさんの仕事に、あまりかかわれなくなるかもしれません。すみません。」


わたしは、
「分かりました。」
と、答えました。



でも、

次の日も、
その次の日も、
いつもと同じように、
彼はわたしの部屋に来て、

いつもと同じように、
打ち合わせをしていました。




またある日、



「nicosaさん、ぼく、異動になるかもしれません。」

「今度はこの建物の外の部署に出て行くかも。」


わたしは、
「そうですか。」
と、答えました。



その頃から、
彼の様子が、
少し変な気がしました。


目が変…
わたしを見るときの、目が変な気がしました。






そして、
その頃、


少しへんな体験をしました。



わたしの向かう先にあるコピー機で、

彼がコピーをしているのが見えました。



その頃、わたしは、彼に何も感じていなかったのに、コピーをしている彼に近づくにつれて、心臓のドキドキが激しく激しくなりました。



音が聞こえそうなくらい、
ドキドキしました。



「何?」



思わず呟いてしまったのを、
覚えています。




わたしは、
彼の方を見ずに、
彼に声をかけずに、
通り過ぎました。



通り過ぎて、
しばらくして、
やっと、
ドキドキはおさまりました。




この前、

ふと思ったのですが、



あれは、
あのドキドキは、



わたしのドキドキじゃなくて、




彼のドキドキだったんじゃないかな…。









また別の日、
わたしが、
書類を彼のところに持って行ったとき、


椅子に座っている彼の横で、
書類を見ながら、

立ったまま、

下を向いて、

書類の説明を彼にしていたとき、


突然、
彼の顔が、
書類の上に、
わたしの顔の前に、
現れて近づいて来ました。



キスされるかと思って、



わたしは、
後ろに、1歩、
飛び退きました。



周りの人に、
おかしく思われないように、
もう一度、
座っている彼の左側に立ち、
最後まで説明をして、


「よろしくお願いします。」


と、
頭を下げて、

彼の顔は見ずに、
逃げるように自分の部屋に帰りました。





またある日、

わたしが、
ほぼすっぴんで出勤してしまった日、
彼がわたしの部屋に来ました。


彼は、


わたしの顔を見て、
うれしそうにニコッと笑って、


また、

わたしの顔に、
自分の顔を
近付けて来ました。


わたしは、
また、
後ろに1歩下がりました。





残業していると、
彼がわたしの部屋に来て、


「さがしてる備品が、この部屋にあるんじゃないかと思って。」



わたしが、
一緒に探していると、


「nicosaさん忙しいから、仕事しててください。探したら帰りますから。」


その備品は、
彼の部屋にもあるはずのものでした。




彼の異動の内示が出ました。


しばらくして、
外部業者のわたしたちにも、
発表されました。



異動の日は、いよいよ近づいて来ました。



ある日、
軽作業をする部屋に、
二人でいたとき、
突然、
彼が、
とても大きな声を出しました。




「行きたくない!」



部屋の外の廊下にも、

その声は、
響いていたと思います。


彼は、
立ったまま、
わたしの顔を見下ろして、


下から見上げる、
わたしの顔を覗き込んで、



「だって、nicosaさん、行きたくないですよ。」



そう、
言いました。



異動の前日、
職場の人を誘って、
彼とわたしと、
4人でランチをしました。



とても、
楽しいランチでした。


彼も楽しそうでした。





異動当日。



彼は、
荷物を詰める段ボールの空箱を抱えて、
わたしのいる部屋の中に入って来ては、

また出て行き、


また入って来ては、
また出て行き、


横目で、
わたしを見ていました。



夕方、
同じ日に異動になるほかの人と一緒に、
わたしの部屋に挨拶に来てくれました。


それが、
一緒に毎日過ごした最後の日になりました。




それからは、
もう二度と、


彼と毎日話をする、

彼と毎日顔を合わす、



そんなことは、
わたしの現実の中に、
起こりませんでした。







9ヶ月間、
ずっと、
当たり前に、
わたしの目の前にあった現実は、


わたしの現実の中から、
なくなってしまいました。



今では、



キラキラと輝いた、
懐かしい、
楽しい、
そんな思い出です。









nicosa